今夜は、マドリードのセントロでマエストロ・ジョセップ・ポンスとマエストロ・マウリシオ・ソテロと夕食。友人との気のおけない会話はとても楽しく、時間が経つのも忘れてしまう程だ。とても聡明で、人間的にも素晴しい二人。彼らと会うときはいつも心が躍ってしまう。今日は山積みになっているプロジェクトの詳細を話し合ったり、もちろん、音楽についても議論を交わした。

今夜のこのふたりとの夕食は、とても充実したものになりました。この二人とは、今週の日曜日にまた会うことを約束してお別れ。楽しい夜をありがとう!
今夜は、マドリードのセントロでマエストロ・ジョセップ・ポンスとマエストロ・マウリシオ・ソテロと夕食。友人との気のおけない会話はとても楽しく、時間が経つのも忘れてしまう程だ。とても聡明で、人間的にも素晴しい二人。彼らと会うときはいつも心が躍ってしまう。今日は山積みになっているプロジェクトの詳細を話し合ったり、もちろん、音楽についても議論を交わした。
今夜のこのふたりとの夕食は、とても充実したものになりました。この二人とは、今週の日曜日にまた会うことを約束してお別れ。楽しい夜をありがとう!
私のブログの読者の方はもうご存知の通り、先週末はサラマンカへ行ってきました。サラマンカでは、街のシンボルともいえる旧大聖堂と新大聖堂も訪れました。新大聖堂は16世紀から18世紀にかけて建てられたゴシック様式の建築です。
大聖堂の中には、下の写真のような素晴しいパイプオルガンがあります。ヨーロッパでも最も古いパイプオルガンのひとつに数えられているそうです。今日は、このパイプオルガンにまつわる、素敵な物語を紹介したいと思います。
これほど立派なものが、このような状態で保存されていることに心を痛めたその旅人は、自分がその修復をしたいと強く考えるようになり、その旨を新大聖堂に伝えました。しかし、この大きくて古いパイプオルガンを修復するには膨大な費用がかかるため、その思いは叶いませんでした。
それから数年後の1985年、日本の皇太子ご夫妻(今の天皇陛下と美智子さま)がサラマンカを訪れ、その時に新大聖堂にもお立ち寄りになりました。そして、やはり古くて立派なパイプオルガンが無惨な姿で保存されていることに心を痛められ、このパイプオルガンを修復しようというかの旅人の思いに賛同されました。日本に帰られた後、皇太子ご夫妻はパイプオルガン修復の為のチャリティーコンサートを東京で開催され、さらにスペインへ進出している日本企業からの協賛を得て資金を調達し、ついに、旅人の思いは現実のものとなるのでした。
パイプオルガンの修復工事には、1年という歳月を要し、1990年3月、蘇ったパイプオルガンは大聖堂にその音色を響かせました。悠久の時を超えて、そして日本というスペインからはとても遠く離れた国の人々の温かい心によって、サラマンカのパイプオルガンは生命を取り戻したのです。
このお披露目コンサートは、日本のNHKとスペインのTVE(国営放送)で生中継されました。スペイン中の新聞は、文化財修復に対する、日本の皇室と人々の協力と優しさを讃える記事を次々に伝えました。
そして1994年、既に天皇に即位された、かの皇太子は、再びサラマンカを訪れ、修復されたパイプオルガンの音色を聴くため為に新大聖堂に立ち寄られました。
今日では、残念ながらこの素晴しい物語を知っている人はそう、多くはありません。実際私も、日本人の私の妻が話してくれるまで知りませんでした。とても素敵な逸話だと思いませんか?これからサラマンカの新大聖堂を訪れる人が、このパイプオルガンの物語をもう一度思い出してくれることを願ってやみません。
日本人は、歴史や祖先をとても大事にする国民です。我々が日本人から学ぶべきことは、まだまだたくさんあります。。。
ソファーに座り、ギターの音色を確かめます。全てのフレットをひとつひとつ弾いてみて、スケールやメロディーも弾いてみます。意図したことが正確に音になってフィードバックされる感覚は最高。非常にクリアーな、力強い音を奏でます。たった数分弾いただけで、ギターが手の中に自然に落ち着くような不思議な感覚に包まれます。私の演奏法にあった、奏でられる音もとても特徴的で、あっという間に身体の一部になりそうなギターです。
今日は、サイモン・ラトル氏にお会いしました。これまでの経験から言えることですが、偉大なアーティストというのは、往々にして、芸術面だけでなく人間的にも非常に大きな方が多いのです。例外は殆どありません。逆にコンプレックスのある芸術家や、自分に自信のないミュージシャンは自分を大きく見せようとして見栄をはったり、自慢話をしたり、という傾向にあるようです。
サイモン・ラトル氏も、ビッグ・アーティストのそれに相応しい、豊かな人間性を、お会いした瞬間に感じました。初めて目が合った瞬間、まだ言葉を交わす前から、彼が全て包み隠さずオープンな気持ちで接してくださているのが、察知できました。あ、この人とは気が合いそうだ。私の第6感がそうつぶやきました。側にいるだけで、ポジティブなエネルギーが伝わってきます。素晴らしい芸術を共に作り上げようという時、ポジティブな人間性と相性程大切なものはありません。彼はそうした目に見えないものを全て持っています。
その後、楽屋内のソファーに案内され、そこに座って『アランフェス協奏曲』のプロジェクトについて、色々話をしました。ただ、この作品を演奏するのではなく、どんな思いを込めて演奏するか、そのために指揮者とソリストがどのような方向へ歩んで行くのがよいのか。一緒に何を表現していこうとしているのか、踏み込んだ話に、ラトル氏の芸術に対する真摯な姿も見て取れました。
今日はベルリンへやってきました。とても寒い!寒さが骨の奥まで突き刺さるような感じ。でもここに住む人たちは寒さを逃れる術を巧みに身につけているようだ。服装からもそれが見っとれる。
今夜は、ベルリンフィルの公演に招待していただきました。バイオリン、ビオラ、チェロ等の弦楽器を中心とした室内楽のコンサートです。詳しい演目や出演者はこちら↓
Strings plus: Daishin Kashimoto
明日は、大ホールで開かれるフルオーケストラのコンサートにも招待頂いています。こちらもとても楽しみ。そしてなにより、かの、サイモン・ラトル氏と対面できるのも楽しみです。午前中は、リハーサル風景を見学させてもらうことになっていて、休憩時間中に初めてラトル氏にお会いします。
写真は、日本人のコンサートマスター、樫本大進さんです。とても気さくに色々話をしてくれました。とても感じのいい方です。
写真:小ホールのステージ
ちなみに、コンサートマスターというのは、オーケストラの中で指揮者に続いて大事な存在です。演奏前に彼が出す音(ラの音)に全ての楽器がチューニングを合わせます。また、ソリストがステージ上にあがる時、指揮者の他にコンサートマスターに挨拶(握手)するのも一般的です。
さて、いよいよ明日は、運命の日。オーケストラとラトル氏との対面はもちろん、初めてこの目で、ベルリンフィルがどのようなリハーサルをするのかを見られる、私に取ってはかなり貴重な時間を過ごさせてもらいます。4月にザルツブルグでアランフェス協奏曲のリハーサルが予定されていますが、その時の為のいい勉強でもあります。ザルツブルグと言えばモーツァルトの出身地。ベルリンに並び、これまた音楽にゆかりのある土地です。
明日の長い一日を集中して乗り切る為にも、今日はこの辺で。また明日この旅の続きを皆さんにご紹介します。
写真:ビセンテ・カリージョの新しい2艇のギターを試しているところ
この大切なコンサートの為に一役買って出てくれたのが、ギター製作者で2010年の国家手工芸賞を受賞したばかりのビセンテ・カリージョ。私はフラメンコギタリストですから、演奏方法はフラメンコ。しかし演奏する作品はクラシック。ということで、今回はその両方の特製を兼ね合わせた、特製のクラシック・フラメンコ・ギターを私の手や指や演奏方法に合わせて、オーダーメイドしてくれました。言ってみれば、ハイブリッド・ギターです。
このギターのこれまでの製作プロセスはこちら
「ギター物語」のビデオはこちら
それと同時に、この「馴らし」の期間は、ギタリストとギターがお互いを知り合うのにも欠かせない期間です。同じギター製作者が、同じ素材を用いて、同じモデルのギターを同時に作ったとしても、出来上がったギターには人間と同じように「個性」があるのです。
Foto: Reportaje del periódico El Mundo “El Dominical”
写真:『エル・ムンド』紙の取材
ギターを受取に行ったこの日、ちょうど『エル・ムンド』紙の取材があり、ビセンテ・カリージョの工房でのギター製作の様子を詳しくリポートしていました。ハビエル(記者)とリカルド(写真家)は、ふたりともとても感じのいい青年で、私にもギタリストは、どんなギターを弾きたいのか、どんな木材で作られたギターが良いのか、等々色々な質問を受けました。
ギターに関する取材だけでなく、写真の世界やスペインの文化について、また日本や中国のような遠く離れた国とスペインの同質性、異質性など、昼食を共にしながら興味深い話題が尽きませんでした。
写真:マリア・ルイサ。ビセンテ・カリージョの工房の職人
写真に写っている素敵な女性は、ビセンテ・カリージョの工房で働く職人さんです。彼女はギターの竿の金属部分を取り付ける作業をしていました。これからは、ギターを弾く度に彼女や、その他の職人さんの一生懸命な仕事ぶりを思い出すような気がしていました。
写真:ビセンテ・カリージョ、ハビエル・カバジェロ(エル・ムンド記者)、リカルド・カセス(写真家)
取材の休憩時間に、皆で記念撮影をしました。それぞれ違う世界で活躍していますが、こうして一同に会しています。ビセンテはギター製作の世界、ハビエルは執筆者としての世界、リカルドは写真の世界、そして私は音楽の世界。分野は違っても、それぞれの思いは同じです。その分野を極めようとする探求心、常に新しくわき起こる疑問とその答えを見つけようと奮闘する日々。
写真:製作中の新しい2艇のフラメンコギター
写真の2艇の製作中のギターは、ビセンテ・カリージョのフラメンコギターです。これも、私のために特別に製作してくれているフラメンコ演奏用のギターです。あと3週間後にはこのギターも完成し、近々フラメンコのコンサートで初演奏する予定。今からとても楽しみです。今は、今日新しく手にしたハイブリッドギターをじっくり味わいます。
写真:ビセンテ・カリージョに私の好みを説明中
この新しい2艇のフラメンコギターを製作してもらうに当たって、これまでにビセンテとはかなり長い時間をかけて話し合ってきました。私の演奏方法に一番適したギターを作る
と言う、かなり難しい注文に、ビセンテは辛抱強く色々試行錯誤を重ねてきました。私の好みをうまく言葉で説明するのはなかなか難しいのですが、これも大事なプロセスの1つです。このコミュニケーションの質の高さがそのままギターの質の高さに繋がっていくからです。
写真:ビセンテ・カリージョと、未来のフラメンコギターと共に
まだ、あちこち足りないところがありますが、これが正面から見たギターの現在の姿。まだまだビセンテの仕事は山のように残っていますが、全ての行程で、きっと最良の技を見せてくれると信じています。既に、この新しいギターでのコンサートやレコーディングのアイデアが、私の頭に次々に浮かんできます。
写真:キンタナル・デル・レイの街角で
今日のブログの最後は、工房の隣町、キンタナル・デル・レイの街角でのこの1枚。この小さな町で、アームストロングの足跡に出会うとは!彼は月に行ったんじゃなかったっけ?
この『足跡』を見つけて皆で大笑い。「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類に撮っては偉大な飛躍である」というニール・アームストロングの言葉を真似て、記念撮影。月面に足を踏み下ろした時にいた言葉だが、もしかするとキンタナル・デル・レイに足を踏み入れた時だったのかも。。。